胃瘻(胃ろう)の交換が必要な患者さんのケース

通院介助による身体的負担や、通院に伴う患者さんの体調変化
患者さん 79歳、女性、Eさん
症状 半年に1回、病院の外来に通院して胃瘻の交換が必要。
実施した診療や医療 自宅で胃瘻(胃ろう)の交換を行い、正しく交換できていることをその場でレントゲン検査を行い確認。
現在の状況 ご家族の通院介助による身体的負担や、通院に伴う患者さんの体調変化がなくなった。

70歳の時に患った脳梗塞後遺症により寝たきりの状態で、日々の栄養については胃瘻から栄養剤を注入している E さん。半年に1回、胃瘻の器具の交換をしなくてはならず、そのために寝たきりの E さんを病院の外来に連れていくことが、ご高齢のご主人には身体的な負担になっていました。とくに冬の時期は外が寒く、病院の待合室で待っている間に E さんが風邪を引いてしまったこともありました。

ご主人「毎回胃瘻の交換の時が大変なんだよ。寝たきりだから病院まで連れていくのだけでも大変なのに、家に帰るのもあるからね。うちは夏と冬に交換するから、暑すぎたり寒すぎたりでもうヘロヘロになっちゃう。交換が終わった時はホッとするけどまた半年後にこれがあるなぁと思うとね・・」

訪問看護師「たしかにご主人は大変ですよね。訪問診療っていうのがあって、先生が自宅で胃瘻交換をやってくれることも出来ますよ。顔なじみの先生がいるからご紹介しましょうか」

訪問看護師から、在宅医により自宅で胃瘻の交換が出来ることを聞き、それならば是非とお願いをしたご主人。
クリニックから訪問診療についての説明を受けた後で、訪問診療が開始となりました。胃瘻交換が必要な時期になれば、在宅医が自宅で胃瘻を交換し、交換した胃瘻が正しく胃の中に留置されているか、自宅でレントゲン検査も同時に行って確認することで、合併症のリスクも軽減されていました。
ご主人の通院介助に伴う身体的な負担はなくなり、患者さんも通院時の外気温などによる体調変化がなくなり、安心して日々自宅で療養を続けることができるようになりました。

医師からのメッセージ
胃瘻交換は自宅でも行うことができます。交換後にレントゲン検査を行って、正しく胃瘻交換が出来ているかをその場で確認します。患者さんの安全が一番大切ですので、当院では必ずレントゲン検査を行っています。

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