尿道カテーテルの交換が必要な患者さんのケース

導尿バッグ
患者さん 83歳、男性、Fさん
症状 1か月に1回、病院の外来に通院して尿道カテーテルの交換が必要。
実施した診療や医療 自宅で毎月1回、定期的に尿道カテーテルの交換を行う。
現在の状況 通院に伴う身体的・経済的負担を減らすことができ、定期的かつ確実に尿道カテーテル交換を行うことで尿路感染症のリスクも減少。

83歳のFさんは、神経因性膀胱による尿閉のため、自力での排尿は難しく、尿道カテーテルを膀胱内に留置して排尿を行っています。
尿道カテーテルの交換が1か月に1回あり、お一人では通院が困難なためご家族が毎回付き添って通院されていましたが、通院に伴う身体的負担はもちろん、経済的にも通院のためのタクシー代の捻出が厳しくなっていました。

Fさん「外来でカテーテル交換してもらうのもいいんだけど、家で交換してもらえんかね。あんたに毎回仕事休んできてもらうのも悪いし、身体も疲れるったいね・・。1人で行ければいいけど、それは無理やし・・。大体待ち時間が長いとよ、交換は1分くらいで終わるのに、だけん余計疲れるたい」

ご家族「そりゃそうよ。私もそう思っとるよ。毎回パート休んでタクシー使って行って、その日の給料はもらえんし、タクシー代が往復3000円やもん。3000円あれば餃子の王将でたらふく食べられるばい。1年に1回ならまだしも毎月やけんね。昔の往診とかみたいなのがあればいいのにね。先生が来てくれてってやつ。昭和はそうやったやろ?もう令和やけん無理かな」

そんな数日後、偶然テレビで「在宅医療特集」を見たご家族。「これこれ!令和にもあるやん!」と、早速ネットで在宅医療クリニックを検索し、診療をお願いすることになりました。
毎月1回、在宅医により自宅で尿道カテーテルの交換を行い、カテーテル交換以外にも、便秘や発熱に対する定期的な全身状態のフォローを行うことができるようになりました。

毎月確実にカテーテルの交換を行うことで尿路感染症のリスクも減少することができ、ご家族も、外来通院に時間を費やすのではなく、その時間を一緒に近くのスーパーに買い物に行ったり、そのついでに近くを散歩したりする時間として持てるようになり、ご本人、ご家族ともに充実した時間を送ることができるようになりました。

医師からのメッセージ
訪問診療では定期的にご自宅に伺い、診察を行います。その際に、尿道カテーテルの交換も行うことができます。女性の場合であっても、当院の看護師や訪問看護さんにより交換することができます。外来通院がなくなったことにより、時間にゆとりができ、家族と過ごす時間や趣味などに時間を使うことができるようになります。初夏の大濠公園の散歩、特におすすめです。

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